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腸は果糖を「味わう」ことで生殖に影響を与える ?交尾と栄養の協調メカニズムを発見?


個体代謝生理学分野の西村隆史教授と筑波大学生存ダイナミクス研究センターの丹羽隆介教授らの研究グループは、モデル生物のキイロショウジョウバエを用いて、体内で作られた果糖を腸が「味わう」ことで栄養状態を感知し、交尾による生殖の活性化や卵形成に重要であることを明らかにしました。
本研究で注目した代謝経路は、動物種を問わず進化的に保存された代謝経路であり、果糖を感知する味覚受容体は、ヒトを含む哺乳動物の腸内分泌細胞にも存在しています。ヒトでは腸内分泌細胞から分泌されるホルモンが生活習慣病の発症に関与することから、今回発見したメカニズムは、ヒトの生殖や代謝の調節、さらに生活習慣病発症の理解にもつながると期待されます。
本研究の成果は2月24日(金)に英国科学誌Science Advances に掲載されました。学術的に卓越した研究内容で,大きな社会貢献が期待されることから,お知らせいたします。

概要

  • 雑誌名:「Science Advances」2023 Feb 24;9(8):eadd5551
  • タイトル:”Circulating fructose regulates a germline stem cell increase via gustatory receptor-mediated gut hormone secretion in mated?Drosophila
    ”交配したショウジョウバエ では、循環するフルクトースが味覚受容体を介した腸ホルモン分泌を介して生殖系列幹細胞の増加を調節する”
  • 著者名:Ryo Hoshino, Hiroko Sano, Yuto Yoshinari, Takashi Nishimura, Ryusuke Niwa

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